移植への理解を求める会 会報第8号           

1125日 宇和島で

第2回総会と記念講演会

講師に根津八紘先生(長野)

 

 病腎移植を推進してこられた宇和島徳洲会病院副院長の万波誠先生とそのグループの先生方を支援する「移植への理解を求める会」が、昨年11月に発足して間もなく1年を迎えます。そこで、第2回総会を下記の要領で開き、今後の活動などについて

協議したいと思います。多くの方々のご参加を期待しています。          

 と  き 11月25日(日)午後1時〜4時(1時から受け付け)

 と ろ 宇和島市栄町港3丁目303

      えひめ南農協会館 別館2階大ホール

(JR宇和島駅から徒歩約7分)有料駐車場となります。

        電話0875−22−8111 

 記念講演 午後1時〜3時

      ▽根津 八紘先生(長野県下諏訪町・諏訪マタニティークリニック院長)

 「誰がための医療か」(仮)

難波 紘二先生(広島大学名誉教授・病理学・生命倫理学)

「病腎移植1年後の結果と将来性」(仮)

      ▽林  秀信先生(弁護士・移植への理解を求める会役員)

       「患者の治療選択権と病腎移植」(仮)
      (このあと講師の先生方でトーク)

 総  会 午後3時〜4時
      
活動報告・決算・予算案・役員改正・活動計画など審議
      
決議文採択
      (このあと記者会見を予定 30分程度) 

 問い合わせ  電話090−2786−5317 河野(事務局)

        (平日午前10時―午後6時)

        電話090−7626−0240 野村(幹 事)

        (平日午後6時―10時、土・日)

愛媛の地域医療破壊に反対

求める会 厚労相に要望書提出

 

万波先生らに対する移植関連学会やマスコミのバッシングは、ようやくおさまってきたように見えます。しかし、厚生労働省は、病腎移植の保険適用について「省令で禁止する特殊療法であり、保険適用外」として、診療報酬の不正・不当請求を理由に、万波先生と市立宇和島病院、宇和島徳洲会病院に、厳しい行政処分を検討していると推測されています。

 処分は当初、10月上旬にも出ると予想されたことから、移植への理解を求める会は9月25日、「愛媛の地域医療破壊に反対する」との要望書を、愛媛社会保険事務局を通じて、桝添要一厚生労働大臣に提出しました。同事務局には向田陽二代表、武田元介幹事、河野和博事務局担当の3人が訪れ、要望書を手渡しました。

 この後、県庁で記者会見を開き、清家重喜、福山美寛両幹事を加えた5人が、会見に臨みました。向田代表らは「地域医療を守るためにも、この問題を患者や住民の立場で考え、慎重に判断してもらいたい」と訴えました。 

 

 要望書の内容は次の通りです。

                                       

                            2007年9月25日

厚生労働大臣

 舛添 要一様

愛媛の地域医療破壊に反対する

(要 望 書)

 

                         移植への理解を求める会

                          代表 向田 陽二

                         電話 0895-74-0512

 

拝啓 日ごろ、移植医療に対して多大のご尽力をされていることに、心から感謝と敬意を表します。 

 さて、私たちの会は、腎不全患者を一人でも多く救おうと、やむにやまれぬ思いから病腎移植を進めてきた宇和島徳洲会病院の万波誠先生とそのグループの先生方を支援する全国的な患者団体(事務局・愛媛県松山市、会員約1200人)です。会員には腎移植者をはじめ、泌尿器科にかかわる各種疾患の治療を過去及び現在、先生方に受けている患者とその家族のほか、移植医療や地域医療に関心を持つ一般市民も多くいます。地域的には中四国を中心に、北は北海道から南は鹿児島まで全国に及んでいます。

 私たちの願いは@移植医療において世界でトップレベルの技術と知識を持つ万波先生とそのグループの先生方が、病腎移植を進めてきたことを理由に、医療活動をストップさせられることのないようにすることA病腎移植が第三の移植医療として定着し、1人でも多くの腎不全患者が救われること−の2点です。

 私たちが病腎移植の推進を訴える主な根拠としては@移植先進国の病院では日常的に病腎移植が行われ、大きな成果を上げているA万波先生らが進めてきた病腎移植もほぼすべて成功しており、その妥当性(安全性と有効性)が医学的に明らかになりつつある−ことがあります。

 私たちはこれらの願いを実現するために、これまで計7万人余りの署名と要望書を貴省に提出し、理解を訴えてきました。

 しかしながら、日本移植学会など関係学会は、誤解と偏見に満ちた論理と、世界の医学水準から恐ろしく遅れた古い知識で、病腎移植を「現時点では医学的妥当性がない」と断定しました。貴省は、この見解を踏襲し「病腎移植は一般医療から逸脱した行為である」として、一般医療での病腎移植を禁止したうえ、これに続いて「病腎移植は省令で禁止する特殊療法で保険適用外」として診療報酬の不正・不当請求を理由に、万波先生と医療機関に、厳しい処分を検討していると聞きます。

 内容は、万波誠先生に5年間の保険医取り消し、宇和島徳洲会病院と万波先生の前勤務先・市立宇和島病院に診療報酬の返還と、5年間の保険医療機関の指定取り消し、と推測されています。

 もし、そうなれば、万波先生は医療活動ができなくなり、地域の基幹病院である両病院は事実上、診療活動ができなくなります。宇和島市を中心とする四国西南地域の医療は壊滅的打撃を受け、私たち患者をはじめ、多数の地域住民が「医療難民」となり、甚大な被害を受けることは明白です。

 地域医療が壊滅状態となったとき、一体誰がそれをカバーするのでしょうか。カバーなど毛頭できるはずはありません。

 万波先生やグループの先生方が病腎移植を進めてきたのは、患者を1人でも多く救いたいという純粋な思いからであり、個人の金銭欲や名誉欲とは無縁です。手続きや進め方に問題があったにしても、その心情は汲み取られるべきであり、犯罪者を断罪するような処分は、まったく見当違いであると思います。

 ましてや国民の健康を守るべき立場の貴省が、結果的に患者や市民の医療を受ける権利を奪うような処分を下すことは、許されない行為であり、暴挙と言えます。したがって、万波先生と両病院の処分については、その影響の重大さを考え、慎重な判断をされることを強く要望します。

 加戸守行愛媛県知事は9月6日の定例会見で、「(病腎移植により)市立宇和島病院に対して仮に(保健医療機関の)指定取り消しがあったとすれば、私は絶対に許さない。断固、国を相手に闘う。訴訟をはじめ、あらゆる手段で」との発言をしています。

 私たちも同じ思いであり、そうした処分が出れば、患者や住民の立場から断固反対し、処分が撤回されるまで闘わざるを得ません。

 貴省が本来の使命を果たし、今後とも賢明な医療行政を進められることを、心から念願します。                              敬具

 

 以上のことから、私たちは、貴省に次の3点を要望します。

@市立宇和島病院と宇和島徳洲会病院の保険診療を保証すること。

A万波先生の保険医としての診療活動の継続を保証すること。

B病腎移植を日常的医療として認め、腎不全患者を救済し、医療費の削減に努めること。

 【注】医療費の削減は、移植を受け、透析を離脱できれば、必然的に医療費が大きく削減できることを意味します。

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県難病連も要望書提出

移植への理解を求める会に続いて、愛媛県難病等患者団体連絡協議会(菅裕子会長、14団体、2,790人)も、11月3日、舛添要一厚生労働大臣あてに、両病院の保険診療の保証を訴える同様の要望書を送りました。

                                         

創意工夫の蓄積が新分野を切り開く
万波先生頑張ってください!! 患者さんのために」
                           根津 八紘

(徳洲新聞 200757日付から)

412日、医療法人登誠会諏訪マタニティークリニック(長野県)の根津八紘院長は、記者会見で涙ながらに、国内で代理出産を認めてほしいと訴え、同時に代理母になるボランティア女性を募集することを明らかにした。学会の弾圧に苦しむ同医師から万波誠医師宛に、激励の手紙が届いた。

 ある日突然、母校の後輩である千葉徳洲会病院長の大嶋秀一先生からメールが届きました。徳洲会と言えば、今や、徳田虎雄先生よりも病腎移植の先駆者である、万波誠医師のことが思い浮かぶと言っても過言ではないでしょう。案の定、その内容は万波医師支援に関するものでありました。

 事の始まりは、私が母校の信州大学医学部創立60周年記念誌に投稿した拙い文(次ページ)にありました。きっと大嶋先生には、学会やマスコミからバッシングを受けている万波医師と私がオーバーラップして見えたのでしょう。言われるまでもなく、万波医師の件が公表された時、私の二の舞いを演じている医師として、彼のことは私の眼に映っていたのです。と同時に「学会と名が付くと、その内容はすべて正しいと判断、もし学会に抗する者があればそれは悪しとする」傾向が、ジャーナリズムや社会の中に固定化しつつあることを、一層強く感じたものです。

 その後、万波医師を支える患者さんたちの集まりの報道があり、私はますます万波医師の医師としての誇りある行動を確信するに至りました。偏った指導者が存在するのは、日本産科婦人科学会だけと考えていましたが、移植学会等においても何ら変わりないことを知ることとなりました。本日(416日)付の産経新聞の報道を見ても、「最初から万波医師は変なことをしている」という先入観で学会は、すべてを一刀両断の下に否定している様子が伝わってくる思いがしました。本来学会は学問的に臨床内容を充実させる集団であったはずです。それが知らないうちに権威と権力を笠に着て、下々の医師や患者に言うことを聞かせる存在となっていたようです。

 学会で決めたことは絶対ではないはずであり、すべて完成された医療行為の指針を出せるところでもないはずです。なぜならば、医療は日進月歩しており、それらは目の前にいる患者さんのために医師の裁量の下、患者さんの同意を得ながら創意工夫を加えつつ行われ、その蓄積が新しい分野を切り開くことにもなっているからです。詳細はわかりませんが、万波医師はまさにその分野の先駆者なのでしょう。それを一番理解されているのは万波先生の患者さんだと、私は確信しています。

                                       

 出版 病腎移植の問題を追う

    「腎臓移植最前線〜いのちと向き合う男たち

              <青山淳平著、光人社(東京都)・1,680円>

 日本の移植医療の第一人者、太田和夫・元日本移植学会理事長が日本で初の腎移植を手がけてから、現在の病腎移植問題に至るまでの日本の腎移植の歴史を、人物にスポットを当てて描いたノンフィクション。

臓器移植法の施行から10年。死体腎の提供が進まないなか、降ってわいたような病腎移植問題。650例を超す腎移植を手がけてきた万波誠先生とグループの先生方に対して、学会とマスコミのバッシングが続くなか、いち早く支援に立ち上がった広島大学名誉教授の難波紘二先生、米フロリダ大学移植外科助教授の藤田士朗先生、「移植への理解を求める会」…。日本の移植医療への問いかけは重い。

著者は松山市在住のノンフィクション作家。移植への理解を求める会会員。 

 (同書は全国の主要書店に置いていますが、求める会でも取り扱っています。希望者は事務局まで。送料無料)

                                         

      カナダでの心臓移植の軌跡

        「命の贈りものPart2〜輝いて直也!」

             <えひめ移植者の会編・創風社出版・500円+税>

移植医療への理解を深めてもらおうと、えひめ移植者の会は、このほど12年ぶりに「命の贈りものPart2〜輝いて 直也」(創風社出版、500円+税、1,000部発行)を出版しました。内容は、多くの人たちの善意の募金によって、カナダで心臓移植を受け、健康を取り戻した高松市の高校3年生、西谷直也君(松山市出身)の軌跡を、母親の紀美子さんがつづった手記「輝いて 直也」がメーンとなっています。

 このほか、「直也君を救う会」代表を務めた小川洋子さん(作家、芥川賞選考委員)のエッセーや、松山市の相田久夫さんの「届かなかった妻の腎臓」、移植コーディネーター・菅成器さんの「臓器移植の現状と愛媛」などを収録しています。

 ぜひご一読をお願いしたいと思います。希望者は事務局まで。

 なお、「命の贈りもの」(創風社出版、1,000円+税、1,200部発行)は、平成5年、松山市で開いた全国レベルの臓器移植シンポジウム(松山コロキウムー腎移植から多臓器移植へ「臓器移植新時代への展望」)の成果を同7年、「命の贈りもの」として出版し、好評を得ています(在庫あり)。

                                       

(総会会場見取り図)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会報第8号  

2007年

11月9日() 発 行

発行者 移植への理解を求める会 代 表 向田 陽二

     〒798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者             幹 事 野村 正良

          791-8006松山市安城寺町1746-8  電話089-978-5434 

発行所             事務局 河野 和博

          790-0925松山市鷹子町9282   電話089-970-3943