移植への理解を求める会 会報第6号           

病腎移植を日常的医療に!

臓器移植法の運用指針改正案

厚生労働省に意見書送ろう

                   

 厚生労働省は、生体腎移植や病腎移植の問題に対応するため、臓器移植法の運用指針の改正案をこのほどまとめ、5月11日からホームページに掲載するとともに、パブリックコメント(一般の意見)を募集しています。締め切りは6月11日(必着)です。応募のコメントを参考に、改正が決定されるということです。

改正案によると、同省は移植関係学会の見解を踏襲し、病腎移植を「現時点では医学的な妥当性がない」と否定するとともに、「有効性および安全性が予測されるときの臨床研究として行う以外は、これを行ってはならない」として、臨床研究での実施のみ例外的に認め、一般医療は、全面的に禁止する方針です。

移植への理解を求める会は4月25日、この改正案に対し、「病腎移植を臨床研究に限定せず、日常的医療として定着させるよう努力していただきたい」旨の要望書を同省に送付しました。今回のパブリックコメントの募集に対しても、5月21日、再度、同様趣旨の意見書をメールで送りました。会員の皆さんも、ぜひ同省に意見書を送り、病腎移植の道が開かれることを訴えていただきたいと思います。

 

臓器移植法の運用指針の一部改正案、意見募集要項と書式、求める会が厚生労働省に提出した意見書の内容は次の通りです。

    臓器の移植に関する法律の運用に関する指針の改正(案)について          

1.改正の趣旨

臓器移植法違反事件及びいわゆる病腎移植問題を受け、臓器移植法の運用に係る事項を定める「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(平成9年10月8日付け健医発第1329号厚生省保健医療局長通知)」を改正し、生体間の臓器移植に係る臓器提供者の意思確認や移植を受ける者に対するインフォームドコンセントの方法など、生体間の臓器移植に関する規定を加えることで、適正な臓器移植の実施を図る。

2.改正(案)

運用指針に第12を加え、次の事項を規定する。

第12 生体からの臓器移植の取扱い

○ 生体からの臓器移植は、健常な提供者に侵襲を及ぼすことから、やむを得ない場合に例外として実施されるものであること。生体から臓器移植を行う場合においては、法第2 条第2 項及び第3 項、第4条、第11 条等の規定を遵守するため、以下のとおり取り扱うこと。

○ 臓器の提供の申し出については、任意になされ他からの強制でないことを、家族及び移植医療に関与する者以外の者であって、提供者の自由意思を適切に確認できる者により確認しなければならないこと。

○ 提供者に対しては、摘出術の内容について文書により説明するほか、臓器の提供に伴う危険性及び移植術を受ける者の手術において推定される成功の可能性について説明を行い、書面で提供の同意を得なければならないこと。

○ 移植術を受けて摘出された肝臓が他の患者の移植術に用いられるいわゆるドミノ移植において、最初の移植術を受ける患者については、移植術を受ける者としてのほか、提供者としての説明及び同意の取得を行わなければならないこと。

○ 移植術を受ける者に対して移植術の内容、効果及び危険性について説明し書面で同意を得る際には、併せて提供者における臓器の提供に伴う危険性についても、説明しなければならないこと。

○ 臓器の提供者が移植術を受ける者の親族である場合は、親族関係及び当該親族本人であることを、公的証明書により確認することを原則とし、親族であることを公的証明書により確認することができないときは、当該施設内の倫理委員会等の委員会で関係資料に基づき確認を実施すること。

細則:本人確認のほか、親族関係について、戸籍抄本、住民票又は世帯単位の保険証により確認すること。別世帯であるが戸籍抄本等による確認が困難なときは、少なくとも本籍地が同一であることを公的証明書で確認すべきであること。

細則:倫理委員会等の委員会の構成員にドナー・レシピエントの関係者や移植医療の関係者を含むときは、これらの者は評決に加わらず、また、外部委員を加えるべきであること。

○ 親族以外の第三者から臓器が提供される場合は、当該施設内の倫理委員会等の委員会において、有償性の回避及び任意性の確保に配慮し、症例ごとに個別に承認を受けるものとすること。

細則:生体腎移植においては、提供者の両腎のうち状態の良いものを提供者に止めることが原則とされている。したがって、親族以外の第三者から腎臓が提供される場合において、その腎臓が医学的に摘出の必要のない疾患を有するときにも、本項が適用される。

○ 疾患の治療上の必要から腎臓が摘出された場合において、摘出された腎臓を移植に用いるいわゆる病腎移植については、現時点では医学的に妥当性がないとされている。したがって、病腎移植は、医学・医療の専門家において一般的に受け入れられた科学的原則に従い、有効性及び安全性が予測されるときの臨床研究として行う以外は、これを行ってはならないこと。また、当該臨床研究を行う者は「臨床研究に関する倫理指針」(平成16年厚生労働省告示第459号)に規定する事項を遵守すべきであること。さらに、研究実施に当たっての適正な手続の確保、臓器の提供者からの研究に関する問合せへの的確な対応、研究に関する情報の適切かつ正確な公開等を通じて、研究の透明性の確保を図らなければならないこと。

(注)細則については、「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針」の詳細として別途通知するものとする。

 

  意見募集要項                                 

 厚生労働省では、よりよい臓器移植の実施に向け、「臓器の遺書に関する法律の運用に関する指針(平成9年10月8日付け健医発第1329号厚生省保険保健医療局長通知)の一部改正を検討しています。

 つきましては、広く意見を募集しますので、ご意見のある場合には、下記により提出してください。

 なお、提出いただいた意見に対する個別の回答はいたしかねますので、その旨ご了解願います。

1.資料入手方法

 意見募集対象となる指針案の概要については、電子政府の総合窓口[e−Gov](http://www.e-gow.gojp.)の「パブリックコメント」欄に掲載します。

2.意見の提出方法

 意見書(別紙様式)に氏名および住所(法人又は団体の場合は、名称、代表者の氏名主たる事務所の所在地)、並びに連絡先(電話番号又は電子メールアドレス)を明記の上、意見提出期限までに、次のいずれかの方法により提出していください。

ご記入いただいた氏名および住所(法人又は団体の場合は、名称、代表者の氏名および主たる事務所の所在地)、並びに連絡先(電話番号又は電子メールアドレス)は提出意見の内容に不明な点があった場合などの連絡・確認のために利用します。

なお、意見書は日本語で記入してください。

(1)電子メールを利用する場合

電子メールアドレス:zokishishin@mhlw .go.jp

厚生労働省健康局臓器移植対策室 あて

※メールの件名を「臓器移植法運用指針の一部改正に関する意見提出について」としてください。

※メールに直接意見の内容を書き込むか、添付ファイル(ファイルはテキストファイル、マイクロソフトWordファイル又はジャストシステム社一太郎ファイル)として提出してください。

なお、電子メールの受取可能最大容量は、5MBとなっていますので、それを超える場合は、ファイルを分割した上で提出してください。

 

 

(2)郵送する場合

〒100―8916 東京都千代田区霞がセキ1−2−2

厚生労働省健康局臓器移植対策室 あて

(3)FAXを利用する場合

FAX番号:03−3593−6223

厚生労働省健康局臓器移植対策室 あて

3 意見提出期限

平成19年6月11日(月)(必着)(郵便についても、募集期間内の必着とします。)

4 留意事項

 提出されました意見は、とりまとめの上、電子政府の総合窓口[e−Gov]パブ

リックコメント・意見募集案内(http://www.e-gow.gojp.)の「パブリックコメン

ト」欄)に掲載を予定しています。

 

  意見書                                         

意 見 書                      

                        平成19年  月  日

厚生労働省健康局臓器移植対策室 御中

                    郵便番号:〒   −

                         住  所:

氏  名

電話番号 

メールアドレス

 

臓器の移植に関する法律の運用に関する指針の一部改正に関する意見を提出いたします。(以下に意見を記載する。別紙に記載する場合は「別紙に記載」と記載し、意見を記載した別紙を添付する。

 

 

 

 

 

 

注1 法人又は団体にあっては、その名称および代表者の氏名を記載すること。

注2 用紙の大きさは、日本工業規格A列4番とすること。別紙に記載する場合はページ番号を記載すること。

 

 

  移植への理解を求める会の意見書                         

                          平成19年5月21日

厚生労働省健康局臓器移植対策室 御中

 

臓器の移植に関する法律の運用に関する指針の改正(案)について

(意 見 書)

 

                     798-4101

                       愛媛県南宇和郡愛南町御荘菊川2290                                           

                     移植への理解を求める会

                      代表 向田 陽二

                     電話0895-74-0512

                                 

拝啓 日ごろ、移植医療の推進に対して、多大のご尽力をされていることに、心から敬意と感謝の意を表します。さて、臓器移植法運用指針の一部改正(案)のなかで、病腎移植への対応については、次の通り、異議があります。ぜひご検討をお願いいたします。                                

敬具

 

 改正(案)によると、病腎移植への対応については「疾患の治療上の必要から腎臓が摘出された場合において、摘出された腎臓を移植に用いるいわゆる病腎移植については、現時点では医学的に妥当性がないとされている。したがって病腎移植は、医学・医療の専門家において一般的に受け入れられた科学的原則に従い、有効性および安全性が予測されるときの臨床研究として行う以外は、これを行ってはならないこと」としています。

しかし、病腎移植については、病理学の専門家がデータを詳細に分析した結果、移植が原因の病気再発は1例もないうえ、生着率や生存率も死体腎と比べて遜色がなく、その有効性、安全性が明らかにされています。したがって「現時点では医学的に妥当性がないとされている」という見解は、事実に反しており、納得できません。

この問題には、移植を望む多数の腎不全患者の命がかかっています。それだけに、医学的な論議を十分に尽くさず、調査委員会の粗雑な調査報告をもとに、安易な判断をされたのでは、患者は立つ瀬がありません。

宇和島徳洲会病院の万波誠先生らが進めてきた病腎移植に関しては、不満を訴えるドナーは1人もいません。むしろ「役に立つのなら喜んで病腎を提供したい」という人がほとんどです。一方、レシピエントの多くは「3年でも5年でもいい。透析から解放され、もう一度元気な生活をしたい」という思いで移植を受けています。仮に生着率が悪くても、病気再発の可能性があったとしても、患者にとっては、少しの期間でも透析から解放され、健康的で質の高い生活ができるということが何より大きいのです。健康な人の単純な考えで、この問題の良否を判断すると、本質を見誤ってしまいます。

医療関係者によると、ドナーの腎臓は死体腎であれ、生体腎であれ、健康的なものは少なく、ほとんどは傷んでおり、いわば病腎であるということです。

もう一つ言うなら、万波先生らの病腎移植の進め方に問題があるにしても、そのことと病腎移植の医学的評価とはまったく別の問題です。移植のやり方が悪いから病腎は駄目だということにはならないはずです。それは、やり方を改めれば解決することです。

したがって、病腎移植の医学的な妥当性の可否の判断は、臨床現場の事情に詳しい、より能力の高い専門家の手で、あらためてドナーとレシピエント双方の緻密な追跡調査をしたうえでお願いしたいと思います。「病腎移植は…有効性および安全性が予測されるときの臨床研究として行う以外はこれを行ってはならない」という方針(案)も、この判断のもとに、再検討をぜひお願いいたします。

移植に利用可能な病腎は、年間約2,000個捨てられていると指摘する医療関係者もいます。もし、そうであるなら、利用が広がれば、遅れている日本の移植医療を進めるうえで画期的なことと言えます。

 また医療費の問題を考えると、移植を受けた場合は透析治療の3分の1程度ですみます。そのことだけを取り上げても、病腎の再利用を真剣に検討する価値は十分すぎるほどあると思います。

こうした事情を踏まえ、病腎移植を例外的に臨床研究に限定するのではなく、日常的な医療として定着させる方策を、ぜひ考えていただくよう強く要望いたします。患者を1人でも多く救うことを第一に、今後とも賢明な医療行政を進めていただきたいと念願いたします。                              以上

   

 連絡先 移植への理解を求める会事務局

     〒790-0925 松山市鷹子町928-2 河野 和博方 

      電話089-970-3943 メール kohno@lib.e-catv.ne.jp

 

 お知らせ                                                    

病腎移植推進へキャンペーン

腎不全シンポがDVDに

 病腎移植の妥当性をアピールするため、移植への理解を求める会と徳洲会グループ゚は4月17、18日、大阪と東京で相次いで国際腎不全シンポジウムを開きました。現在、その模様をDVDに編集する作業を、岡山支部のメンバーが進めており、今月中に完成の予定です。

 このDVDには、同シンポの模様がコンパクトに収められており、日米の腎移植医療の現状や病腎移植の安全性、有効性などがひと目で分かる内容です。ぜひ皆さんにも、ご覧いただきたいと思います。これらは関係機関や団体などに配布するほか、希望者に無料(郵送料のみ)で配布します。

申し込みは、岡山支部事務局まで。宛て先は〒700-0816 岡山市富田町2−3−14 4階 移植への理解を求める会岡山支部 電話080-5622-1409。DVDのはいる大きさの返信用封筒と郵送料(切手140円分)を事務局までお送りください。

 

                                     

 万波先生らと病腎移植支持

ホームページが威力発揮

 病腎移植に対して、移植関係学会などの不当な批判が続く中、万波先生らのグループを支持するホームページが活躍し、支援者の獲得に大きな力を発揮しています。

 その一部をご紹介します。ぜひご覧ください。

 @「移植への理解を求める会公式ホームページ」(運営・武田元介幹事)

 (http://www.kenkoude.com/ishoku/2

A「病気腎移植推進・瀬戸内グループ支援ネット」(運営・移植への理解を求める会岡山支部)

 (http://www/setouchi-ishoku.infn/links/index.php

  B「地獄への道は善意で舗装されている」(運営・佐藤 和則関西支部役員) 

  (http://blogs.yahoo.co.jp/sxed2004

C「万波誠医師を支援します」(運営・井手 広幸会員)

 (http://hiro110732.iza.ne.jp/blog/)

D「徳洲会」(http://www.tokushukai.jp/index.html)(運営・徳洲会)

E「Because It’s There(http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/)(運営・?)

                                     

求める会 6支部が誕生

岡山・広島・丸亀・関西・釧路・鹿児島

移植への理解を求める会は、宇和島徳洲会病院の万波誠先生とそのグループの先生方の支援と、先生方が取り組んでこられた病腎移植の推進を柱に、活動を進めていますが、今後、活動の全国展開を図るため、各地での支部結成を呼びかけています。

その結果、5月25日までに、岡山、広島・丸亀(香川)・関西・釧路(北海道)、鹿児島−の計6支部が発足しています。支部によっては、新たに署名運動に取り組んでいるところもあります。今後、連携して運動を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


各支部の役員、会員数は次の通りです。(敬称略)

岡 山支部> 支部長・二宮清太郎 副支部長・溝口 正直 

         事務局・林  秀信 会 計・船越 美香 (会員55人)

広 島支部> 支部長・中向井健治 副支部長・黒田功一郎 

         会 計・米今喜代美 (会員29人)

丸 亀支部> 支部長・丸川 一郎 (会員 3人)

関 西支部> 事務局・佐藤 和則 (会員 4人) 

釧 路支部> 支部長・加藤 義美 (会員 2人)

鹿児島支部> 支部長・福島 信雄 副支部長・篠原 幸治 (会員30人)

             会報第5号でもご紹介しましたが、各支部の連絡窓口は、岡山支部の事務局にお願いしています。連絡先は〒700-0816 岡山市富田町2-3-14  清和ビル4F▽電話 080-5622-1409 

                                        

 出版 病腎移植の問題を追う

    「腎臓移植最前線〜いのちと向き合う男たち」

             <青山淳平著、光人社(東京都)・1,680円>

 日本の移植医療の第一人者、太田和夫・元日本移植学会理事長が日本で初の腎移植を手がけてから、現在の病腎移植問題に至るまでの日本の腎移植の歴史を、人物にスポットを当てて描いたノンフィクション。

臓器移植法の施行から10年。死体腎の提供が進まないなか、降ってわいたような病腎移植問題。650例を超す腎移植を手がけてきた万波誠先生とグループの先生方に対して、学会とマスコミのバッシングが続くなか、いち早く支援に立ち上がった広島大学名誉教授の難波紘二先生、米フロリダ大学移植外科助教授の藤田士朗先生、「移植への理解を求める会」…。日本の移植医療への問いかけは重い。

著者は松山市在住のノンフィクション作家。移植への理解を求める会会員。 

 (同書は全国の主要書店に置いていますが、求める会でも取り扱っています。希望者は事務局まで。送料無料)

 

会報第6号  

2007 年

5月25日(金) 発 行

発行者 移植への理解を求める会 代 表 向田 陽二

     〒798-4101愛南町御荘菊川2290    電話0895-74-0512

編集者             幹 事 野村 正良

          〒791-8006松山市安城寺町1746-8  電話089-978-5434 

発行所             事務局 河野 和博

          〒790-0925松山市鷹子町928−2   電話089-970-3943