移植への理解を求める会 会報第10号
4月26日(土)・松山で
レストア腎移植を考える会
講師に堤寛先生(藤田保健衛生大学教授)
高杉敬久先生(広島県医師会副会長)
病腎移植=レストア腎(修復腎)移植の推進を掲げる「移植への理解を求める会」は、4月26日(土)午後、松山市で「レストア腎移植を考える会」を開きます。
宇和島徳洲会病院の万波誠先生らが、進めてこられたレストア腎移植は、ドナー不足を解消するすばらしい医療であるとして、アメリカやオーストラリアなど海外の移植関係者の間で絶賛されています。
しかし、厚生労働省は「現時点では医学的に妥当性がない」とする日本移植学会などの見解を踏襲して、一般医療では禁止する方針を打ち出しました。しかも、レストア腎移植がこれまで、一般の生体腎移植と同様に保険医療の対象として認められてきたのにもかかわらず、今回の問題が起きて以降、手のひらを返したように、レストア腎移植は「特殊な医療で、保険適用外である」として、保険医療の不正請求を盾に、万波先生の保険医取り消しと市立宇和島病院、宇和島徳洲会病院の保険医療機関指定取り消し処分を強行しようとしています。
これに対して、レストア腎移植の現状を知った国会議員の先生方は「学会や厚生労働省の対応は間違っているのではないか」として、超党派議員連盟を発足させ、関係者から聞き取りをするなど、実態調査を進めています。私たちにとっては、大変ありがたく、心強い限りです。
「レストア腎移植を考える会」の開催は、こうした動きを踏まえ、より多くの人たちにレストア腎移植への理解を深めていただき、推進活動の輪を広げていこうというのが狙いです。
講師には、藤田保健衛生大学医学部教授の堤寛(ゆたか)先生(病理学)と、広島県医師会副会長の高杉敬久先生を予定しています。
ピアノ演奏とトークも 有末よしひろさん
また兵庫県加古川市で音楽教室を主宰している作曲家・編曲家・ジャズピアニストの有末よしひろ(佳弘)さん(透析5年目、レストア腎移植を支持)に、ピアノ演奏とトークもお願いしています。会終了後、交流会(参加自由)も計画しています。多くの皆さんの参加をお待ちしています。
<レストア腎移植を考える会(実施要領)>
と き 4月26日(土)午後1時〜4時
ところ 松山市山越町 愛媛県女性総合センター多目的ホール(定員300人)
内 容 講 演
講 師 堤 寛先生(藤田保健衛生大学医学部教授・病理学)
テ−マ 「レストア腎移植と腎不全治療」(仮)
「ドナー腎が圧倒的に足りない日本において、「病腎」は移植を待ち望む多くの腎不全患者に大いなる福音となることは疑いない。病腎移植の優れた点を適正に評価するべきであろう」(堤先生、医学雑誌「ミクロスコピア」より)
講 師 高杉 敬久先生(広島県医師会副会長)
テーマ 「レストア腎移植に思う」(仮)
「医療は常に挑戦することで新しい治療方法を開拓して来ました。病腎移植は、方法論に問題があったとしても、脳死移植が少なく生体移植に頼らざるをえない日本の移植事情を考えるとき、第三の移植として残す道を探りたいと思うことは全くの個人的な意見なのでしょうか?」(高杉先生、広島県医師会報より)
ピアノ演奏とトーク
出 演 有末よしひろ氏(作曲家・編曲家、ジャズピアニスト)
交 流 会 午後4時半から(会場未定)
主 催 移植への理解を求める会、えひめ移植者の会
入場料 無料
連絡先 移植への理解を求める会事務局 河野和博方
電話089−970−3943
宇和島の2病院と万波先生の処分
地域医療の崩壊招く
求める会 厚労相に要望書送る
万波誠先生が「保険適用外の病腎移植を不正に請求した」という理由で、宇和島徳洲会病院と、前勤務先の市立宇和島病院の2病院と万波先生らを処分する方針を固めたとされることから、移植への理解を求める会は、2月18日、厚生労働大臣と愛媛社会保険事務局長に、次の内容の要望書を送りました。
要望書
2008年2月18日
厚生労働大臣
舛添 要一様
愛媛社会保険事務局局長
古元 大典様
愛媛の地域医療破壊に抗議する
(要 望 書)
移植への理解を求める会
代表 向田 陽二
電話 0895-74-0512
拝啓 日ごろ、移植医療に対して多大のご尽力をされていることに、心から感謝と敬意を表します。
さて、私たちの会は、ドナーに恵まれない移植待機患者を救おうと、やむにやまれぬ思いから病腎移植を進めてこられた宇和島徳洲会病院の万波誠先生とそのグループの先生方を支援する全国的な患者団体(事務局・愛媛県松山市、会員約1300人)です。会には腎移植者をはじめ、泌尿器科にかかわる各種疾患の治療を過去及び現在、先生方に受けている患者とその家族のほか、移植医療や地域医療に関心を持つ一般市民も多く参加しています。地域的には中四国を中心に、北は北海道から南は鹿児島まで全国に及んでいます。
私たちの願いは@移植医療において世界でトップレベルの技術と知識を持つ万波先生とそのグループの先生方が、病腎移植を進めてきたことを理由に、医療活動をストップさせられることのないようにすることA病腎移植が第三の移植医療として定着し、1人でも多くの腎不全患者が救われること−の2点です。
私たちが病腎移植の推進を訴える主な根拠は@移植先進国の病院では日常的に病腎移植が行われ、大きな成果を上げているA万波先生らが進めてきた病腎移植は、すべて成功しており、病の再発は1例もなく、その妥当性(安全性と有効性)が医学的に明らかになっているB病腎移植に関する万波先生の論文が海外で高い評価を受け、「病腎移植は、深刻なドナー不足を解消する切り札となる医療である」と、絶賛されている−ことです。
私たちはこれらの願いを実現するために、これまで7万人を超える署名簿とともに、要望書を貴省に提出し、理解を訴えてきました。
しかしながら、マスコミ報道によると、貴省は「病腎移植は省令で禁止する特殊療法で、保険適用外である」として、「診療報酬の不正・不当請求」や手続きなどの不備を理由に、万波先生に5年間の保険医取り消し、先生が病腎移植を実施してきた宇和島徳洲会病院と前勤務先の市立宇和島病院の2病院に、5年間の保険診療機関指定取り消しという厳しい処分の方針を固めたとされます。
患者本位で医療を進めてこられた万波先生や、地域の基幹病院である二つの病院が、なぜ、このような処分を受けなければならないのでしょうか。私たちには、到底納得できません。私たちだけでなく、理性と常識のある人なら、誰が考えても、理不尽と受け取るでしょう。
この処分が出されれば、万波先生は廃業を余儀なくされ、全国にいる多数の患者が、行き場所を失ってしまいます。また両病院は、事実上、診療活動ができなくなり、再指定で取り消し期間が1カ月に短縮されたとしても、宇和島市を中心とする四国西南地域の医療は大混乱を来し、医療難民となった住民が、甚大な被害を受けることは必至です。
とりわけ、貴省の処分の理由には、大きな疑問があります。一つは、15年前に万波先生らが病腎移植を始めたとき、当時の移植コーディネータ−と貴省の担当者との間で、「病腎移植は一般医療と同様に保険請求できる」との合意が得られ、それ以降、正当な手続きを踏んだうえで何ら問題なく、保険請求が認められてきたことです。
それなのに、なぜ、今ごろになって、手のひらを返したように、「病腎移植は保険適用外である」と決め付けられるのか、まったく理解に苦しみます。
もう一つは、これまで国内では、万波先生とそのグループの先生方以外の手でも、多数の病腎移植が行われていることです。このことは藤田保健衛生大学の堤寛教授(病理学)が調査で明らかにしています。
それなのに、なぜ、万波先生だけが、診療報酬の不正・不当請求を理由に指弾されるのでしょうか。これらの二つの疑問について、ぜひ明快なご説明をいただきたいと思います。こうした事実を無視してまで、処分を強行しようとする理由はいったい何なのでしょうか。
もとより、国民の健康を守るべき立場の貴省が、患者や住民の医療を受ける権利を奪うような処分を下すことは断じて許されないことです。私たちは、自分たちや家族の命を守るために、万波先生と両病院の診療活動の継続保証を、強く要望します。
貴省が本来の使命を果たし、今後とも賢明な医療行政を進められることを、心から念願いたします。 敬具
以上のことから、私たちは貴省に、あらためて次の3点を要望いたします。
@市立宇和島病院と宇和島徳洲会病院の保険診療を保証すること。
A万波先生の保険医としての診療活動の継続を保証すること。
B病腎移植を日常的医療として認め、腎不全患者を救済し、医療費の削減に努めること。 以上
東京で相次ぎ国際シンポ求める会
移植への理解を求める会は、1月20日と2月10日、東京で相次ぎ国際シンポジウムを開きました。前者は「日本とオーストラリアの病腎移植」、後者は「第2回国際腎不全シンポジウム」です。
日本とオーストラリアの病腎移植
1月20日
1月20日、東京商工会議所ビルで「日本とオーストラリアの病腎移植」(主催:移植への理解を求める会)が開催された。同シンポジウムは担がん腎からの移植を通常医療として行っているクイーンズランド大学(オーストラリア)のデビッド・ニコル教授の来日を機に実現。ニコル教授はこれまで49例のレストア腎移植(病腎移植)を行い、がんの転移はまったくなく移植医療として確立されたものであると語った。
また、呉共済病院(広島県)の光畑直喜・泌尿器科部長が、日本国内での移植医療の現状と世界の動向について講演を行い、患者の治療の選択権を主張するレストア腎移植者である林秀信弁護士の講演が、ビデオ放映された。(徳洲新聞より)
第2回国際腎不全シンポジウム 2月10日
「移植への理解を求める会」(向田陽二代表)は2月10日、都内で「第2回国際腎不全シンポジウム」を開催した。万波誠医師らによる国内のレストア腎移植42例に関する論文が、1月に行われた米国移植外科学会・冬季シンポジウムで世界のトップテン論文に選出されたことを受け、今回は、日本、オーストラリア、アメリカ、イタリア各国における移植医療の現状が報告された。会場には700人近い聴衆が詰め掛けた。(同)
事務局から 松山市の井手広幸さん、小池昭彦さん、宇和島市の加賀城仁士さん、松野町の土居一誠さんの4人が、新たに会の幹事に加わりました。よろしくお願いします。
会費納入のお願い 移植への理解を求める会が2年目を迎えました。そこで、
新たな1年間の会費納入を皆さんにお願いしたいと思います。会費はほとんど通信費として使わせていただいています。またカンパや会員の勧誘も歓迎です。
カンパヘのお礼 会員の皆さんから、会費以外に、多くのカンパを寄せていただいています。心からお礼を申し上げます。
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会報第10号 2008年 4月11日(金) 発 行 |
発行者 移植への理解を求める会 代 表 向田 陽二 〒798-4101愛南町御荘菊川2290 電話0895-74-0512 編集者 幹 事 野村 正良
〒791-8006松山市安城寺町1746-8 電話089-978-5434 発行所 事務局 河野 和博
〒790-0925松山市鷹子町928−2
電話089-970-3943 |
出 版
「この国の医療のかたち
否定された腎移植」
著者はテレビ愛媛の村口敏也ディレクター。病腎移植問題が表面化して以来、1年余り、報道班のチーフとして、的確な視点で精力的に報道番組を制作してきた村口さんが、病腎移植を肯定的にとらえ、現在までの動きと実情を、詳しく紹介しています。
病腎移植に関する国内外の情報を網羅した好著で、テレビ番組では報道しきれない内容が、ふんだんに盛り込まれています。
<患者に寄り添う医師がやむにやまれず行った病気腎移植に、関係学会は「医学的妥当性なし」との最終判断を下し、厚生労働省は臓器移植法のガイドラインを改正し、病気腎移植を原則禁止した。残された道は、適正な手続きに基づいた臨床研究。「私は研究者なんて柄じゃない」と口ごもる万波医師だが、今度こそ学会も含め日本の医療界が一丸となり、ドナー不足解消のカギを握るこの新たな移植を追求していってほしいと願っている。>(あとがきから) (創風社出版・1836円)
「カルテの余白
院長室から見た医療の風景」
市立宇和島病院の名誉院長で、移植への理解を求める会顧問でもある近藤俊文先生の医療エッセー集。地方の医師不足の深刻化や患者のたらい回し、医療機関の消滅など、危機に瀕している日本の医療のさまざまな問題について、医療現場での体験や数多くの患者さんとの交流を通して、その望ましいあり方を論じています。
内容は1996年〜2001年に、愛媛新聞社発行の「えひめ雑誌」と、朝日新聞の愛媛版に連載したものを、テーマごとに再構成し編集したものがベースとなっています。 (岩波書店・2312円)
関係書籍在庫あり 事務局には、上記の出版物のほか、青山淳平著「いのちと向き合う男たち〜腎移植最前線」(光人社・1680円)、えひめ移植者の会編「命の贈りもの」「命の贈りものPart2」(創風社出版・1000円、500円)の在庫があります。希望される方はお申し出ください。実費でお送りいたします。