2008年 3月18日

 

 

 

桝添大臣閣下

私は万波先生への全幅の支持と、彼に対して日本移植学会よりなされた重大な権利侵害についてあなたにお知らせしようと筆を執りました。

 

私の理解では、日本における腎臓不足の窮状を打破する万波先生のパイオニア的な仕事をこの学会ははげしく非難し、厚労省は彼と彼が働く病院に処罰を与えようとしています。ご高存のように日本の移植率は先進国の中でも最低であります。その結果として、移植を受ける見通しのない膨大な数の腎不全患者が透析医療に頼っています。これらの患者さんたちのQOLはひどいもので、くわうるに、移植に比べ非常に高い死亡の危険性にさらされています。それ以外には治療選択のなかった患者さんたちに移植を行った万波先生の努力が巻きおこした反応は、私にとってはほとんど理解を絶するものでした。彼が行った移植のやり方は、今やわれわれの施設やその他のオーストリアや北米で通常に行われているものです。万波先生の努力は賞賛されるべきであり、今回不当に行われた様に見える中傷の対象とするべきではありません。私の見込みでは彼の仕事は移植を受けた患者さんたちだけでなく、移植を受ける見通しがない絶望的な苦境にある日本の多くの腎不全患者を勇気づけるものなのです。日本移植学会は万波先生と彼のやった医療を攻撃するのにエネルギーをつかうのではなく、日本の移植率を上げることにつとめるべきだと感じています。もし、万波先生の方法を日本の他の移植施設が行えば、非常に多くの日本の患者さんたちが長期透析から解放されるでしょう。

 

万波先生の方法を支持するいくつかの論文がすでに医学雑誌に掲載されています。その上に、年末に予定されているシドニーでの世界移植学会では、総会でも分科会でもこの問題が重要議題として討論されるでしょう。その目的はこの新しいドナー提供法を推進することであり、修復腎移植について関心のある日本の移植学会員の参加を期待する次第です。

日本の厚労省におかれましては、ご熟考の上、この方法がもつ可能性が十分に発揮できるよう今の情勢を好意的に見てほしいと希望いたします。同時に、日本での移植率が先進国レベルに達するように、これを好機として前向きのご努力を払われんことを切望いたします。

                                     敬具

 

 

デビッド・ニコル

泌尿器科学・移植学教室主任教授

クイーンズ・ホスピタル、ブリスベーン