2007年9月  日

厚生労働大臣

 舛添 要一様

 

愛媛の地域医療破壊に反対する

(要 望 書)

 

                        移植への理解を求める会

                         代表 向田 陽二

                        電話 0895-74-0512

 

 拝啓 日ごろ、移植医療に対して多大のご尽力をされていることに、心から感謝と敬意を表します。 

 さて、私たちの会は、腎不全患者を一人でも多く救おうと、やむにやまれぬ思いから病腎移植を進めてきた宇和島徳洲会病院の万波誠先生とそのグループの先生方を支援する全国的な患者団体(事務局・愛媛県松山市、会員約1200人)です。会員には腎移植者をはじめ、泌尿器科にかかわる各種疾患の治療を過去及び現在、先生方に受けている患者とその家族のほか、移植医療や地域医療に関心を持つ一般市民も多くいます。地域的には中四国を中心に、北は北海道から南は鹿児島まで全国に及んでいます。

 私たちの願いは@移植医療において世界でトップレベルの技術と知識を持つ万波先生とそのグループの先生方が、病腎移植を進めてきたことを理由に、医療活動をストップさせられることのないようにすることA病腎移植が第三の移植医療として定着し、1人でも多くの腎不全患者が救われること−の2点です。

 私たちが病腎移植の推進を訴える主な根拠としては@移植先進国の病院では日常的に病腎移植が行われ、大きな成果を上げているA万波先生らが進めてきた病腎移植もほぼすべて成功しており、その妥当性(安全性と有効性)が医学的に明らかになりつつある−ことがあります。

 私たちはこれらの願いを実現するために、これまで計7万人余りの署名と要望書を貴省に提出し、理解を訴えてきました。

 しかしながら、日本移植学会など関係学会は、誤解と偏見に満ちた論理と、世界の医学水準から恐ろしく遅れた古い知識で、病腎移植を「現時点では医学的妥当性がない」と断定しました。貴省は、この見解を踏襲し「病腎移植は一般医療から逸脱した行為である」として、一般医療での病腎移植を禁止したうえ、これに続いて「病腎移植は省令で禁止する特殊療法で保険適用外」として診療報酬の不正・不当請求を理由に、万波先生と医療機関に、厳しい処分を検討していると聞きます。

 内容は、万波誠先生に5年間の保険医取り消し、宇和島徳洲会病院と万波先生の前勤務先・市立宇和島病院に診療報酬の返還と、5年間の保険医療機関の指定取り消し、と推測されています。

 もし、そうなれば、万波先生は医療活動ができなくなり、地域の基幹病院である両病院は事実上、診療活動ができなくなります。宇和島市を中心とする四国西南地域の医療は壊滅的打撃を受け、私たち患者をはじめ、多数の地域住民が「医療難民」となり、甚大な被害を受けることは明白です。

 地域医療が壊滅状態となったとき、一体誰がそれをカバーするのでしょうか。カバーなど毛頭できるはずはありません。

 万波先生やグループの先生方が病腎移植を進めてきたのは、患者を1人でも多く救いたいという純粋な思いからであり、個人の金銭欲や名誉欲とは無縁です。手続きや進め方に問題があったにしても、その心情は汲み取られるべきであり、犯罪者を断罪するような処分は、まったく見当違いであると思います。

 ましてや国民の健康を守るべき立場の貴省が、結果的に患者や市民の医療を受ける権利を奪うような処分を下すことは許されないことであり、暴挙と言えます。したがって、万波先生と両病院の処分については、その影響の重大さを考え、慎重な判断をされることを強く要望します。

 加戸守行愛媛県知事は9月6日の定例会見で、「(病腎移植により)市立宇和島病院に対して仮に(保険医療機関の)指定取り消しがあったとすれば、私は絶対に許さない。断固、国を相手に闘う。訴訟をはじめあらゆる手段で」との発言をしています。

 私たちも同じ思いであり、そうした処分が出れば、患者や住民の立場から断固反対し、処分が撤回されるまで闘わざるを得ません。

 貴省が本来の使命を果たし、今後とも賢明な医療行政を進められることを、心から念願します。                             敬具

           

 以上のことから、私たちは、貴省に次の3点を要望します。

@市立宇和島病院と宇和島徳洲会病院の保険診療を保証すること。

A万波先生の保険医としての診療活動の継続を保証すること。

B病腎移植を日常的医療として認め、腎不全患者を救済し、医療費の削減に努めること。

 【注】医療費の削減は、移植を受け、透析を離脱できれば、必然的に医療費が大きく削減できることを意味します。